明日も暮らす。

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シンプルで暮らしやすい生活を目指しています。オンライン英会話(英検1級)と空手(黒帯)が趣味。大学院博士課程修了(人文科学)。2児の母。

仕事を辞めようとしている友人に思うこと。

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大学時代からの友人がいるのですが、

彼女が、仕事(というより職場の環境、人間関係)で悩んでいて、

2年以上頑張ったけどもう足が向かない、ちょっともう出勤する気になれない。という状況を話してくれました。

 

長い付き合いなので、

彼女がどれだけ頑張り屋で仕事のできる人かよくわかっています。

私が彼女に言えることは詰まるところ、「辞めな!命が大事だよ!心が大事だよ!( ゚д゚)ノ」です。

自分の大事な人が職場でどんな目に遭っているか想像したらこっちまで苦しくなります。

 

1年前退職を決意した私がこういうことを言うと、

あたかも退職が簡単な選択で、退職仲間を増やしたいみたいですが、もちろんそんなに単純なことでもないのもわかっているつもりです。

 

最近になってまた、「あれ(=退職)はいったい私にとって何だったのかな」と考えることが増えました。

 

何となく、戦争のメタファーが非常にしっくり来ています。

私が経験したことは、”戦線離脱”あるいは”敗戦”だったのではないか、と思い始めています。

 

”戦線離脱”だとすれば、

ワーキングマザーである自分からの離脱、

働いて稼いでくる生活からの離脱。

 

”敗戦”だとすれば、

一生働き続けて生きていきたいと願っていた自分が振る白旗。

 

”戦線離脱”あるいは”敗戦”することになった国が、その後甘受しなければならないのは、戦時中の価値観の転換だろうと思います。

自分も、この1年、価値観の転換を試みていました。

働いているときの私は、少なからず、ワーキングマザーである自分に誇りを持っていました。

今も、ワーキングマザーすごいな、素敵だなと変わらずに思っているけれど、

どんなに素敵だとしても、(少なくとも、今の)自分の生きる道ではない、と理解して納得しなければ、自分が苦しいことになってしまう。

保育園激戦区に住んでて、

育休復帰でもない私の生後3か月の子どもを預かってくれるあてもないし、

おそらくこのまま子どもが小学校に上がってしばらくするまでは、

雇用下に入ることはないんだろうなーと思います。

だから私の今の毎日は、専業主婦の可能性を開拓する日々です。

 

今でも差し込みのように、

「ああ、あんなに長い時間をかけて勉強したのに」

「もうあのポジションに就けることはないだろうな」と思ってしまう心。

そう思い始めてしまう心を、その都度説得するように、

「いや違うよ、勉強したことは無駄じゃない」

「でも、あの場所にいたら確実に病んでいたよ」と言い含めるのは、

まさに敗戦処理だといえそうな気がします。

 

戦後の国が新しい価値観を創造しようとするように、

育児して、本を読んだり家を片づけたりミシンにいそしんだりする日々。

これからは文化立国を目指したいんだ、といわんばかりにもがいた1年だったな。

 

戦争のメタファーが妙に合うのは、

職場にいた時に、妙に景気のいい、あるいはきな臭いというか胡散臭い話が飛び交っていたことにも、そう思います。

上の階級に行くための方法や、決められたルールをどこまですり抜けられるか。

おいしい思いをするための、あるいは苦い思いをしなくて済むための方法。

 

限りなく悪意に近い噂話や、想像たくましくしなければ言えないような勘ぐりが飛び交っていたなかで、生き残るためには外交の手腕が問われる・・・。

 

リアルに、戦争に傾き始めた国もそうなのかも。

儲け話も外交も、丁々発止の議論がエスカレートしてきて、ドライブ感が高まってきて、引くに引けなくなるような。

戦争中というのは、どこか、えぐいような楽しさがあるのかもしれない。

 

 

話がそれましたが、敗走でも逃走でも別にいいんだ。

国民(=私と私の家族)の幸福のために、私は仕事を辞めたんだから。

 

あえて言うならば、

少し心残りなのは、せっかく鍛えた自分の能力をフルに使えていない気がすること。

 

つまるところ、

言葉を使って、大人とやりとりしたい!言葉を使って、人と協力しあって、何かを成し遂げたい!

そういう欲求は育児中心の日々では満たされないのが、悶々とするポイントなんだと思います。

 

でも、量は前よりもずっと限られてしまったけど、

今だって、友人や子ども関係で出会う人たちと言葉を使う機会はあるんだから、

その少ない一つ一つの質を高めていきたいな。

 

退職をめぐる私の心の旅も、もう終着に近いところに来たかな、という感じがします。

そう願いたい。

 

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© 梅つま子