おはようございます。期間限定で、アフロになってる梅つま子です。
前回ご紹介した『魂の退社』、まだ続きますよ!
私が退職したのは2016年3月。
稲垣さんが朝日新聞を退職したのは2016年1月。
同じ時期に職場を去る経験をされた方の言葉は、重く響くものがありました。
(もちろん私の職場での働きなんて、朝日新聞時代に数々の輝かしい業績を残された稲垣さんとは比べるものもありはしませんが…。)
今日の投稿は「後編」です。前回の投稿「前編」↓を先に読んでから、今回のをお読みくださったらうれしいです!
今回も、心が震えた個所(多い)を引用しながらいきます!
なお、太字やアンダーラインは、引用者(梅つま子)によるものです。
仕事を辞めるまえに、「やることはやった!」と思えたか
肝心なことは、どんな状況で辞めたにせよ、次の人生へ前向きに歩き出せるかどうかではないでしょうか。
会社を辞めることは、それ自体いいも悪いもありません。
辞めない方がいいこともあるし、辞めた方がいいこともある。
どんな状況下であれ、それを決めるのは自分です。
その決断に自分が納得できるかどうかが大事なのだと思います。
そのためには、それが戦いであれ恩返しであれ何であれ、「やることはやったのだ」という気持ちになれるかどうかがすべてではないでしょうか。(p.116)
本書を読んでいて、ここが一番突き刺さりました。
私は退職したとき、「やれることはやった」という気持ちで会社を去れたか?
答えはNOです。
いろんなことがあって、人間不信になりかかり、心が疲弊しすぎて、そして身を守るのに必死すぎて、命からがら辞めてきた、って感じでした。
何とか体裁を整え、笑顔で辞めるのが精一杯でした。きれいに辞めたかった。
でも。
辞めるという結果が変わらないのなら、もう失うものはないんだから、もっともがいて、今働いている人のために、職場のために、何かできたんじゃないか、という気持ちがしています。
具体的には、これから妊娠する女性、子どもを持った女性が働きやすい組織にするためにもっと悪あがきをできたんじゃないだろうか。もっと。
辞めたことは後悔していない。
辞めたから、手に入れたこともある。
でも、いよいよ辞めるしかない、という思いにいたる直前まで思っていたことは、辞めなくてすむなら辞めたくない、ということでした。
退職する直前にあったポストではもう働けないにしても、
他の場所に移りたい、この職場にいたい、働きたい、貢献したいということを、もっと、上司だけじゃなくて、一緒に働いた仲間にも言ってもよかったのかもしれない。
結果がだめでも。
雇用条件の変更に前例がなかったのなら作る勢いで、私はもっと何かできたのではないかな…。
そういうふうに、見ようによっては情けなくもかっこ悪くも、いろいろあがいてみることができたなら。
もしかしたらそれが、私の次に、仕事と家庭のことをに悩んで辞めそうになってる人への助けになった気がするんですよ。
今なら思う。私はきれいに引き下がりすぎたんじゃないか、って。
体裁を、発つ鳥跡を濁さずってことを、なんか妙に気にしすぎていた気がします。
だけど私は、自分のことで頭がいっぱいだった。
この本を読めて、初めてこのことと向き合えました。
(でもこういうふうに考えられるようになったのは、私が仕事を辞めて、今、ようやく落ち着いたからなのでしょう。心を壊す直前だったから、あのときの私に今の私が「こう考えてみなよ」って言ったって耳に入らないと思う)
…こうやって引用していると、『魂の退職』は、
仕事辞めて万歳!会社にしがみついている人は、何やっているの?って否定する趣旨の本かと見えますが、そんなことありませんでした。
仕事を辞めた人が、会社に向かってつばを吐くような本じゃない
読んでいて、泣きそうになった所があります。
会社を辞めた今、いちばんやりたいことは何かと聞かれたら、それは「仕事」なのです。
(中略)
仕事とは、突き詰めて言えば、会社に入ることでも、お金をもらうことでもないと思うのです。
他人を喜ばせたり、助けたりすること。
つまり人のために何かをすること。それは 遊びとは違います。
人に喜んでもらうためには絶対に真剣にならなきゃいけない。だから仕事は面白いんです。
苦労もするし、思う通りにいかなくても逃げ出せない。
しかしだからこそ達成感もあるし、仲間もできるし、人間関係も広がっていく。助けた人から今度は助けられる。
そのすべては、遊んでいては手に入らないものばかりです。
本当に仕事って素晴らしいものです。お金を払ったってやりたいと思う。(p.193-195)
そう…仕事って、本当に楽しくて、他にない喜びを与えてくれる。
でも、会社にいなくたって仕事はできる。
お金をもらわなくたって、むしろ払ったって仕事をやりたいっていう気持ちになる。
これを言ってもらえて、すごくうれしかったです。
会社とは、私にとってこれ以上ない「人生の学校」でした。
まずは、一から仕事の仕方を教えてくれたかけがえのない存在でした。
同僚や先輩、そして取材相手に本当に育てられました。
そして一つのことについて、私の場合は「書く」ということについて、曲がりなりにもプロの仕事ができるようになったのは間違いなく会社のおかげです。
そして、それだけではありません。
お金とはどうつきあうべきか。
ウマの合わない同僚や上司とどうつきあっていくか。
頑張っても結果が出ず自信をなくしたときどうしたらいいか。
理不尽な人事異動にどう立ち向かうか。
納得のいかない命令にどう対処するか……。
会社というものは、これでもかこれでもかと実に様々なアメとムチを繰り出して社員を翻弄してきます。
(中略)それはまるで、映画の成長物語のようです。
(中略)
旅に出ることを通じて、人は初めて大人になるのです。
大人になるとは、苦いものも悲しいものもすべて飲み込んで、前へ進んでいく力を身につけるということです。(p.198-200)
この文を読んだときに、自縛霊のようにさまよっていた、私の「仕事辞めちゃった自分」の気持ちが、またひとつ晴れたような気がしました。
そう、私も、会社に感謝したかったんです!
なのに、会社を辞めたことで、会社に就職したからこそできた経験や成長を、「辞めなければならなくなった」ということに上書されて、なかったことみたいにしてたのかもしれません。
稲垣さんは、会社を辞めるとこんなにいいよ!ってことを言いたいんじゃなくて。
会社は修行の場であって、依存の場じゃない。
それがわかれば、会社ほど素晴らしいところはありません。
そして修行を終えたとき、あなたはいつでも会社を辞めることができます。
結果的に会社を辞めても、辞めなくても、それはどちらでもいい。ただ、「いつかは会社を卒業していける自分を作り上げる」こと。それはすごく大事なんじゃないか。(p.201)
会社に所属していようといまいと、自立している人になろう。
これを言いたいためにこの本があるんじゃないかな、と、そんな風に思いました。
ほんとに私もアフロにするかもしれない
梅つま子は天パです。
適当に自分ではさみ持って、短くしたり長いところを残したりしたら、
天然アフロができるんじゃないかな!って思ってます。だめかな?!
節電アフロができたらいいなあ。
いつか子育ても終わったとき。
私はほんとに、アフロのおばちゃん、おばあちゃんになろうかな。
「つながり」がこれからの社会のキーワードだという人がいるし、私もそう思うけど、つながるためにはまず一人になることが必要なんだ。
みんな知ってた?私は初めて知ったよ。(p.211)
そのとき、私は上手に「一人」になることができているかな。
自分次第だよね。これから頑張ろう!